こんにちは、クムイマナです。
この記事では、著者(私)の遭難事故になりかけた実体験のお話をします。
キャンプや釣り、登山、ハイキングなど、自然に触れる機会はとっても幸せな時間ですよね?
私も趣味が渓流釣り、毎日BBQをやりたいくらいキャンプも好きです。
しかし、自然に入るということは、同時に様々な危険の可能性があるのも忘れてはいけません。
その中でも命に関わるのが滑落や遭難による事故です。
毎年必ず川で流されてしまい、どうにもならずに尊い命を落としてしまう人がいます。
山菜採りも近年多数の方がお亡くなりになられてます。
エベレストの高地には、気温が低すぎるため、遭難事故で亡くなられた方の遺体が山のように積まれているのも事実です。
そんな事にならないためにも、私の体験をお話しします。
登山家のような壮絶な世界ではないので、逆に一般人がどのように危険な状態に陥るのか?
が、リアルに感じ取れるかもしれません。
自分はしっかり考えているから大丈夫と思っている人ほど気をつけてください、都心から少ししか離れていない山でも十分危険ですよ。
私がそうでしたから、、では要点を軸になるべく簡潔にお話しします。

話は2年ほどが遡ります、2018年の3月後半、渓流釣りが解禁して間もない時期でした、私は当時横浜市に住んでおり、友人と3人で釣りもできるキャンプ場へと出発。(深夜のうちに)
場所は西丹沢です。(後に丹沢という場所がキーワードになります)
車を走らせキャンプ場近くまでたどり着いたら、山道で大きな大きな鹿に遭遇しました、その時点で想像以上の自然界がある事にはきづきましたね。
そして、まだ日も出てない時間でしたので、車で場所取りをして、少し休憩。
釣りができるキャンプ場ではありますが、キャンプ場にあるいわゆる釣り堀にはいかずに、近くの有名な川を目的地に。
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日が少し上がり始めた霧がかった状態でいざ出発です!(この時は寒さよりもワクワクで仕方ありませんでした。)
インターネットで情報を集め、Google マップを駆使してルートなどを決定。
渓流釣りは基本的に人数が少なければ少ないほど釣れやすいです。
なので3人で行った私たちは私がある程度経験もあったので、友人2人は2人で1コース、私は1人で他のコースに行くことにしました。
ちなみにこの時点でもっと考えればよかったのですが、丹沢は他のキャンプ地に比べて、携帯の電波がキャンプ場近くでもほぼほぼ無し。
山の中は仕方ないとしても、これも後々響きます。
そして最初は楽しく釣り進んでいました、鹿の群れにも会い、野生動物が他より多いのかな?なんておもいつつ釣り進むと、、
なんと私の竿が折れるという最悪なアクシデント!!
しかし、折れた先を外してどうにか近場だけはキャスト(ルアーを投げる事)ができたので、無理やり釣り進む事にしました。
今思うと竿が折れたのには訳があるじゃ?(怖っ!)
そして、関門であったモロクボ沢の大滝が現れます。
30メートル程の滝で、沢登りの人達が登る滝ですが、割と迫力があります。著作権の関係でイメージ写真だけ載せておきますが、「モロクボ沢」と検索して貰えば沢山写真はでてきます。
※こんな感じです、本物は「モロクボ沢」と検索して貰えば沢山写真はでてきます。
そしてこの大滝を滝ではなく、横の岩場をどうにか登れるであろうと事前に調べていたので挑戦。
まぁ落ちても死ぬほどでは無いし、骨折くらいでしょうか?w
そんな岩壁をどうにか登りきりましたが、途中で腰につけていたタモ(魚をすくう網)が外れてしまい、下まで落ちていることが判明。
しかも買ったばかりで今日デビューだったので、どうにかこうにか取りに戻りたい気持ちで一杯になりましたが、、
いざ上から下を見ると、、
降りれないんですよね。
登れはするけど降りれない、正直多分おりれるだろう!って感じではあるのですが、転げてしまったら高さ的に死にはしないとの保証はできそうになかったので、タモは後で取りに行けばいいと思い、前に進む事にしました。
単独行動だったのと、行けるか行けないか?は山では行かない。

と前から肝に銘じていたので、前に進みました。
おそらく私より若い人だといっちゃうんだろうなとおもいながらも、、
その辺の判断はいつも吉とでていたと思います。
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そして、、滝上のすばらしい渓相に魅了されながらも、まだ寒い季節だったので、なるべく水を避けましたが、割とハードな場所で四苦八苦しながらも落ち着いた林道に出ることができました。
ここまではちょうど良い運動になりましてが、問題はこの後。
私たちが釣りに出たのは5時半頃、、
10時には車に集合という約束でした。
そろそろ戻らないとなと思い、本来少し行くと、しっかりした登山道で旋回できるはずでしたが、なかなかたどり着かない、、
思ったより時間がかかってしまい、その登山道で戻ると明らかに時間に間に合わないと悟りました。
ここで来るのが電波が圏外です、、
大体本当の山奥に行かなければ、電波が不安定でも、LINEくるいは遅れることが多いのですが、なんせ丹沢は人のいるエリアでさえ圏外なのです。
参ったなと思いながら、早く戻らなければ!と頭を絞りました。
そういえば誰かのブログでこの道の右側を登りやすいところがあって、そこを少し登ると逆側の登山道に出れると書いてあったなと、、
これこそが間違いだったのです。
その情報を元に、上がれそうな斜面を見つけると、なかなかない。
途中かなり傾斜があるけど細ーい滝のような沢があったので登ってみましたが、途中で無理な場所があり断念。
引き返して比較的傾斜がマシなところを見つけて、仕方ない、少しハードになりそうだけど、ちょっと登れば着くはずだ!
と思い山を登り始めました。
最初は割とスイスイ上がれます。
ところが山の表面が結構な砂利質のため、足が時々ずるっと滑ります。
そして傾斜は徐々に厳しくなる。
何かに捕まらなければ登れないなと感じ、ちょこちょこ生えているサランラップのロールくらいの太さの木につかまっていきます。
ここで恐怖の入り口が開いていきますw
まず、その細い木々は3本中2本が根元から外れますw
「そんなことある〜〜??!」という感覚ですが、正直笑える状況ではありませんでした。
足元はズルズルもってかれ、、頼った木々はロシアンルーレットのように折れるか折れないか?
結構な追い詰め方してくれます。
そして、傾斜ももはや中腰では登れません、気づいたら膝をついてハイハイの様な形で登るしかない程に。
こりゃまずいなと感じていたので、下に戻ろうか悩みました、、電波があったら余裕で連絡して遅刻を選ぶ危険度。
そして下を見下ろしてみると、、
砂利で滑るし、今降りてもしも滑って止まれないスピードが出てしまったらと想像すると確実に生きてても動けない怪我になるなという高さでした。
そこで、腹を括るしかありませんでした。
間に合わなければ捜査願いが出されてしまってみんなに迷惑をかけてしまうし、かと言ってここを登り切るとなると、さらに高くなる訳だから絶対にもう下れない。
でも今もおりられる高さではない。
腹を括った私は、ある言葉を思い出し、「山で危なくなったら、ひたすら登るしか方法はない」とよく聞いたことがあったので、その言葉を思い出し、ひたすら登り続けました。
そこから更に数十メートル登ったところに、大きな岩がありました、、
よし、岩につかまれば安心だ!と思って必死にそこまでいき、つかまった時、、、
なんと岩まで砕け散るのでしたw
本当笑えないです。
「岩もかーーーーーい!!」と叫びたい気持ちは置いておくしかなく、どうにかこうにかそのエリアも通過、、
そしてだんだんと体力も無くなってきました。
足腰は疲労感に包まれ、3月でさっきまで肌寒かったのに、その時はウェーダー(釣り用のつなぎ)が蒸し風呂の様な暑さです。
そしてついに集中力が切れてきた感じがしてきて、、
「これは本当にまずい、こんな事になるなんて、、
でも気を抜いたら本当に死ぬぞ、、力を振り絞れ!!」と、自分を励ます気持ちで、どんどん這い上がって行きました。(傾斜がキツすぎて本当に立てません。)
そして、息も上がりきり、ゼーハーゼーハー言いながら、何度か集中力が切れそうになり、楽になりたい感情がチラつきました、、しかし、人間の限界はリミッターがかけられているとよく言ったもので、普段の自分の限界を2度超える瞬間がありました。
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そのレベルになると、当時結婚していた妻や、親族。
飼っていた猫のことなど、身近な大切な人の事をおもい浮かべます。
そして、誰もいない山の斜面で1人なのに大声を出して「生きるぞ!絶対生きるぞ!」と、声を張り上げてました。
これは意識が飛ばない様に声を大きく出して自分に聞こえる様に言ったんだと思います。
結構心の奥に孤独感に飲み込まれそうになる自分がいたのを覚えています。
それも解消する為にそんなになったんだなと今では思いますが、、
そして、ついに大きな木が生えていてくれて、その根本で座ることができたのです!!
しかもその木より上は、やっと傾斜がなだらかになっていて、命拾いしたのを憶えてます。
まずは脱水症状になりかけてたので、ウェーダーを脱ぎ、涼しい風を浴びて、たまたま持っていたのが水ではなくコーラだったんです。
もしかしたら遭難すると考えていたので、とても良かった。
コーラはカロリー高いのでこういう時は助かります、、
そのコーラを大切に少し飲んで、休憩しましたが、やはり電波はなく。
時間も20分前にまで迫っていました。
足がもう動かないほどの状態でしたが、早く行かなきゃまずいと思い、平地を小走りで走ります!
するとまた少し登りがあったのですが、山頂?が見えました!
3月後半でまだ雪が残ってましたねw
その雪の上を歩き、、
方向をなんとなく決めて進むと、、
なんだか森林が始まり、そこの木に赤い布の様なテープが結ばれてるではありませんか!!
何かの調査だと思いますが、そんなことより、、
つまり、人が来ている場所、、そして車では上がれない場所、、よって、登れる場所=下れる場所だ!!
と、テンションが爆発して、喜びの声すら出してしまいました!!
その森林も結構な傾斜でしたが、沢山しっかりした木があるので、気違いの様にスライディングしては木につかまり、またスライディングをしては下っていくという、どこで憶えたのか自分でもびっくりする速さで下りました!
途中滑りすぎて加速し、滑り台状になっている高台に来てしまい、下もかなり崖っぽくなってたので、ここで死ぬのか?と、一瞬危なかったですが、奇跡的に滑り台の先端に落ち葉に隠れて岩があり、私のお尻を受け止めてくれたので怪我はせずにそのまま下ることができました。
そうするとやっと川の流れの音が聞こえ、ダッシュで川の方へ下ると、、もともと来た滝の下流部分に出ることができたのです!!
もう死ぬことはないという安心感と、遅刻している焦りが混ざり、興奮して川の中にガンガン入り、これまた普段絶対できない無謀な川ダッシュをして、戻っていくと、、
すでに友人達2人が心配になり、結構離れている私の居た川まで探しに来てくれていました!!
2人に近づき謝ると、、「大丈夫でしたか?何かありました??、、、ありましたね。」と、数時間で痩せこけて、泥まみれの私をみて気づいていましたw
ながーーーくなってしまいましたが、簡潔にまとめてもこんな感じですので、ご理解ください。
この体験から、私はすぐにココヘリという年会費3〜4000円程度なのに、ヘリコプターが無料で助けに来てくれるサービスに登録しました。
キャンプや、渓流釣り、山登り、など、思いもよらない事から大事故に繋がりかねません。
体験して山の恐怖が体でわかりました、普段からそこは誰よりも舐めてなかったはずが、それでも舐めてたんだなと反省。
私の場合は以下が認識の甘さです。
・初めていく場所に単独で行った事、ましてや滝など危ないところまで1人。
(いく場合は安全なルートだけにする、現地の人に直接相談してみる)
・入渓点(入る場所)は把握できていたが、大事な退渓点が曖昧な状態だったこと。
しっかり先に把握しておくこと。
・携帯電話の電波が通じないのに、単純な約束だけしたこと。
待ち合わせなどはなるべくしないこと、チームで行動するべき。
・登山届けや、ココヘリなど、もしものための体制を自分で決めておかなかったこと。
必ずどちらも準備しておく。
などですね。
今ではもっと慎重になりましたが、これから始める人も、ベテランの方も、ここまで読んでいただけているなら是非再確認して、貴方様の大切な命を大切にしてください。
ちなみに、その後ベテランの登山者2人と出会うことができたのですが、遭難しかけた話をしたところ、、
そのお二人も過去に1度づつあったよ!との事で、話が盛り上がりましたが、、
その2人、どちらの方も「丹沢」だったんです。(怖すぎる)
しかも100名山を1人で回るベテランの人です。
つまり、丹沢の地質や電波関係など、総体的にリスクが多い場所という事ですね。近いから!と思っているから隙が出るのか?
確かに木が根腐れしてなくて、砂利じゃなくて、岩も砕けなかったら、かなりマシな状態だったと思います。
皆さま、最後までありがとうございました。
海も山もレジャーは楽しみながらもお気をつけください。
クムイマナでした!